« 2008年02月 | メイン | 2008年06月 »

2008年05月10日

米ジョージア州立大学がコース教材の著作権侵害で訴えられる

 米ジョージア州立大学(Georgia State University)が、英Oxford University Press,英Cambridge University Press,米SAGE Publicationsの3社から著作権侵害行為でジョージア州連邦地方裁判所に提訴された。
 訴状によれば、同大学のコース教材として利用している教材に、出版元の許可を得ることなくデジタル・コピーし、コース管理システムや各学部のWebページ、ハイパーリンクを設定したオンライン・シラバスなどにおいて学生に利用させているという。
 AAP(The Association of American Publishers=米国出版協会)のパトリシアシュローダー(AAP社長兼CEO)は、「著作権法の遵守は、高等教育プロセスに必要」とし、「大学における研究や社会への貢献のために著作物は利用されかつ保護されるべきもの。 基本的な著作権保護を無視するジョージア州立大学の行為は、この前提を覆す。」と述べている。しかし、今回の訴訟では 、デジタル・コピーの利用の永久差し止めは要求しているが、賠償金の支払は求めていない。

詳しくはこちらをご覧ください

昨年小会でもEラーニングに関するシンポジウムを開催しましたが、決定的な妙案は出ず、対策の必要性だけが残りました。
 例えば、国際経済の講義用にデジタル教材を一から全て手作りをしようとすると膨大な時間と労力を要します。映像や資料は、既成のもの(TV番組やニュース等)を使わなくては、海外取材は出来ません。貿易に関するデータについても国や公的機関が出すものだけでは、間に合いません。特に最新のデータをとなると新聞社やエコノミニストの発表する最新情報を使いたいものです。また、今の学生たちは、ビジュアル的にも高いレベルを要求します。メディアを見慣れていますから、コンテンツ全体のデザインやクオリティーにも一定以上のレベルが要求されます。パワーポイントちょっと作りましたでは、学生は食いついてきません。
 こうなると、プロ(教材メーカー)にお任せするしかないのでしょうか?
 しかし、義務教育的な基礎教育なら紋切り方の教材でいけるかも知れませんが、大学教育ではどうでしょう?それぞれの分野で最先端の研究をしているわけですから市販品でまかなうわけにはいかないでしょう。