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便利なことが人を幸せにするとは限らない

 「鞆の浦」の景観訴訟で住民側が勝訴した。八ッ場ダム(群馬県長野原町)、川辺川ダム(熊本県相良村)の建設中止と箱物公共工事が続く中、広島県空港港湾部の部長は、「むだな公共事業とひとくくりにされては心外だ」と話していたという。判決は反対住民が主張する『便利な道路より景観保護優先する』と言う主張が、認められたわけで同部長のコメントは広島地裁の判断とずれがある。
 奇しくもこの発言で、「県が望んでいることは箱物作り」と言うことが露呈してしまった。便利だと言われるもの全てが果たして地元もためになるのであろうか? 
 四国に橋を掛けると便利になり四国の発展に繋がると言い橋を作ったが、本当に四国は発展したのだろうか?
 九州新幹線によって、周辺都市は発展しただろうか?

 開発が全て悪いと言うことではない。江戸時代から連綿と続く鞆の浦の景観を私たちの手で壊してしまったら後世の人たちは二度とその美しさを見ることが出来ない。

 先日、東海道五十三次の47番目の宿場町として栄えた関宿(三重県亀山市) を訪ねた。2km程に200棟の町屋が現存する町並みは、大変美しく保存されており、遠く江戸時代にこの道を大名行列や飛脚やお伊勢参りの旅人が歩いたのかと思うと道端の石ころにまで歴史を感じさせるそんな一日を過ごすことが出来た。ところが隣の宿場である坂下宿は、国道1号線の拡張工事のため残念なことにその殆どが取り壊され、畑の中の本陣跡に小さな石碑が立つのみである。その坂下宿を貫く国道も新たなバイパスの開通で旧道としてその役目を終えている。
 鉄道網も道路網もインフラとして必要である。ただ必要以上のものは要らない。

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