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英国著作権事情(PLS&BL)

 英国から帰って1ヶ月が経とうとしているのにレポートが終わらないという何ともお恥ずかしい状態です。
 当初はBritish Library の訪問は予定されていませんでした。Publishers Licensing SocietyのDr Alicia Wiseさんを尋ね英国の出版社団体の情報収集および交換をさせて頂いている時にAliciaさんから法律的なことであれば、British Library のBenjamin White氏に連絡を取るので彼の意見を聞いてみるのが良いとの提案があり、急遽お会いすることになりました。
 British Library はキングクロス駅のそばにあり外観は周りの景色に合わないほど超モダンな造りでした。建物の内部は私の知っている日本の図書館とは違いゆったりとした3階まで吹き抜けのゆったりとしていてシンプルだが重厚な造りでした。偶々でしょうが、企画展でグーデンベルグの印刷機による世界一古い印刷物が展示されていたり時間が許せばゆっくりと見学させて頂きたい図書館でした。

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クールでモダンなBritish Library

 Ben氏の肩書きはCopyright Compliance andPublisher Licensing Manager 著作物を利用する側と図書館として利用させる側の両面から著作物に携わっておられるとのことでした。私たちの活動に大変興味をもたれ様々なアドバイスを頂きました。その中で最も感銘を受けたのが「英国では『公表された著作物は使うことが前提』であり、使うための方法を考える」という考え方でした。
 Aliciaさんによると驚くことに全英の40%の著作物の権利者が不明であるとのこと。著作者探しはどこの国でも大変な作業のようです。ただし、お会いした皆さんの言葉の端々に「法律を守ることも重要だが、著作物の利用による文化の発展がもっと重要だ」という姿勢を感じました。
 我が国でも、臨機応変なもっと柔軟な対応が出来れば、表現の広がりや伸びやかな創造が出来そうな気がしました。教育機関での利用について著作権者と利用者が互いに意見を交わし、自分の立場と相手の立場、そして新たな創作を生む教育環境をみんなで作りみんなで育てるという共育の意識が必要だと感じました。(細かな情報につきましては、現在、交渉中或いは検討中の案件もありますので差し控えさせていただきます)
 Ben氏、Aliciaさんからは、その後E-Mailでもご連絡をいただきました。みなさんと協力しあって、新たなルール作りが出来ればすばらしいことです。

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