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夏の雨

 久しぶりに夕立にあいました。
アスファルトの焼け付く匂いと土埃の匂いにカラメルソースの香りをほんの少したしたあの匂い。子供の頃を思い出させるあの匂い。
 僕たちは、小学校の校庭で、夏休みに毎日毎日ジリジリ焼け付く日差しの下、三角ベースの野球に興じていました。いつも夕方になるとこの匂いがしてきました。僕たちは、この匂いがすると一目散に自転車を止めた校門に走りだす。急いで自転車に乗って、家に向かって一生懸命ペダルを漕ぎます。
 だいぶ走って後ろを振り向くと、小学校の上の空は、真っ黒になり校舎は雨にかすんでいます。僕の上は晴れているけど、さっき曲がった駄菓子屋は、もう雲の下。
 「急げ、急げ」自分に声を掛けながら一生懸命ペダルを漕ぎます。やがてポツポツと頬に額に手の甲に雨粒を感じたころ、僕は庭に自転車を乗り捨て、家の中に逃げ込みます。
 タオルで頭を拭き、窓の外の雨を見ながら、冷えたスイカを食べました。
 「ピカッ」、「1・2・3・4」、「ドーン」。「今んとは近かった」兄と耳を押さえながら雷の音の方向を見ながら『今んとは、落ちた」「いいや音だけ」

 雨の匂いとともに、子供の頃の思い出が、ふと頭をよぎり、空を見上げて思わず微笑んでしまいました。

 でもこの雨、大きな災害を引き起こしている所もあるとのこと。思い出に浸ってばかりもいられない。

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