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英国著作権事情(OUP)

 オックスフォードへは、ロンドンからバスで約1時間40分。気分的には、東京⇔鎌倉よりもう少し遠いかな?という感じでした。ちょっとした小旅行です。
 郊外は、見事な田園風景。丘の向こうまで続く牧草と森。麦黄色と深緑と所々に点在する赤レンガの農家。牧歌的な風景を見ながらピッタリ1時間40分でオックスフォードのバスセンターに到着しました。運転手さんに教えて貰ったとおりに行くとOUPの前に約束の20分前に到着。ロンドンも歴史的な景観が保たれたきれいな街ですが、オックスフォードは、街全体が中世を思わせるような更に洗練された景観を保っています。OUPの建物も歴史と風格を感じさせる建物です。


OUP_1.gif
ここから入ろうとしたらSTAFF専用でした。
OUP(Oxford University Press)

OUP_2.gif
こちらが、来客用の入り口です。

 受付を済ませ、STAFFの方に案内されELT(English Languge Teaching)の許諾処理をなされている部署を訪問。大変明るくきれいに整頓されたオフィスという印象でした。挨拶もそこそこにミーティングルームへ。

今回、初めての訪問でもありスムーズに話が進むよう、日本を出発する前にOUP日本のGeneral Manager Colin Bethell氏の本部への帰国日と、我々が本部を訪問する日を事前に打ち合わせていました。

今回のオックスフォード訪問n目的は、英国での入試問題の過去問の取り扱いに関する情報収集とオックスフォード日本支社との業務提携についてです。
 Colin氏から日本支社として
「ここ数年著作権に関する問い合わせが増えているが、部署も担当者も存在しないため対応に困っている。英国OUPへの申請を勧めるが、問い合わせ者の多くは言葉の壁があり申請書が書けない。その対応として日本著作権教育研究会は、OUPへの申請実績もあり窓口としてはどうか?」
という提案を頂いた。
 OUPとしては、
「日本著作権教育研究会へ許諾を出し再許諾を大学や出版社へ出すという方法は取れない。あくまでも1件ごとの使用に関し、その都度申請を代行して出すということであれば問題ないであろう。ただし、この場での即断は出来ない。上層部との打ち合わせが必要である。」
との回答でした。

 また、小会として興味のある英国での入試問題の過去問の取り扱いに関しての情報を得ることが出来ました。
「使用報告」
行わない。そのために入試問題としての使用は法的に認められている。
「入試問題の二次利用」
許諾が必要。出版等で使われる例は少ないが出版物は存在する。基本的に許諾を取って出版されているがトラブルが無いわけではない。残部の配布や図書館でのコピーが一般的である。(英国著作権法では私的コピーは1ページ1部は無償、2部以上の複製は対象外。許諾が必要)
「著作者不明への対応」
調査したが、著作者の所在あるいはコピーライツホルダーの所在がわからない場合、慣習的にその旨を記述し、利用する方法が採られている。

 英国の著作権法と我が国の著作権法は良く似ていますが、全体的に英国の著作権法のほうが、我が国の著作権法に比べ厳しく感じます。私的利用同様に教育目的であっても使用形態や部数が厳しく制限されているしまたきちんと守られている印象でした。

 今回の訪問では、小会が完全に窓口という結論までは至りませんでしたが、OUP日本としては、その方向で検討していただいております。小会会員の皆様には、よりスピーディーな対応が出来るように今後の交渉を行って行きたいと考えております。
 その後の雑談の中で日本からの申請件数の話が出ました。今年3月以降のELTへの日本の教育機関からの申請件数は、全部で17件。その内小会からの申請が6件。今年、小会が申請代行を請け負った大学が約200大学。そのうち英語の申請を行った大学は30大学。全国に約700大学と約2,500の私立高等学校があります。この比率から行けば・・・

 オックスフォードの市内観光もしっかりやってきました。

OUP_3.gif
ハートフォードカレッジ 1284年設立。

OUP_4.gif
クイーンズカレッジ 1340年設立。

他にもたくさん見て来ましたが旅行記ではないのでこれぐらいにします。
また行きたい街ですね。

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