« 2007年08月 | メイン | 2007年11月 »

2007年09月06日

第3回著作権シンポジウム「教育現場における著作権問題を考える~eラーニングと著作権の壁~」

今年も著作権シンポジウムを開催します。訪英のご報告もさせて頂こうと考えております。
皆さんのご参加を心よりお待ち申し上げます。

開催日時:
2007年9月12日 13:30~16:30(受付は13:10より行います)

開催場所:
帝塚山大学大阪サテライト(佐治敬三メモリアルホール)

受講料:無料
         申込書PDF(407k)
         リーフレットオモテPDF(666k)
         リーフレットウラPDF(952k)


詳 細:
『基調講演』
知的財産教育の背景にあるもの
-65億人のための知的財産権保護制度を目指して-
帝塚山大学・大学院 教授 江口順一氏

『パネルディスカッション』
eラーニングと著作権法の壁
-著作権法第三十五条は誰のためのものか-

パネリスト:(順不同)
社団法人 コンピュータソフトウエア著作権協会 三橋 信司 氏
読売新聞社 グループ本社 社長室幹事 (知的財産担当) 川内 友明 氏
東海大学付属仰星高等学校・中等部 研究主任
東海大学一貫教育委員会第3部専門委員 宇都口 英樹 氏
帝塚山大学経済学部 教授 中嶋 航一 氏
帝塚山大学法政策学部 准教授 高 榮洙 氏

コーディネーター:
日本著作権教育研究会 内田弘二

eラーニングをすすめようとすると我が国の現著作権法の運用では、三十五条の解釈が「データベースへの蓄積を認めない」とされているため、オリジナル以外は全て許諾が必要となる。
放送番組のライブラリー化や市販問題集からのデジタル化等とのからみがあり難しい問題かもしれないが、弾力的な運用の可能性について探りたい。


主 催:帝塚山大学

後 援:有限責任中間法人 日本著作権教育研究会

2007年09月03日

英国著作権事情(PLS&BL)

 英国から帰って1ヶ月が経とうとしているのにレポートが終わらないという何ともお恥ずかしい状態です。
 当初はBritish Library の訪問は予定されていませんでした。Publishers Licensing SocietyのDr Alicia Wiseさんを尋ね英国の出版社団体の情報収集および交換をさせて頂いている時にAliciaさんから法律的なことであれば、British Library のBenjamin White氏に連絡を取るので彼の意見を聞いてみるのが良いとの提案があり、急遽お会いすることになりました。
 British Library はキングクロス駅のそばにあり外観は周りの景色に合わないほど超モダンな造りでした。建物の内部は私の知っている日本の図書館とは違いゆったりとした3階まで吹き抜けのゆったりとしていてシンプルだが重厚な造りでした。偶々でしょうが、企画展でグーデンベルグの印刷機による世界一古い印刷物が展示されていたり時間が許せばゆっくりと見学させて頂きたい図書館でした。

F1000134.gif
クールでモダンなBritish Library

 Ben氏の肩書きはCopyright Compliance andPublisher Licensing Manager 著作物を利用する側と図書館として利用させる側の両面から著作物に携わっておられるとのことでした。私たちの活動に大変興味をもたれ様々なアドバイスを頂きました。その中で最も感銘を受けたのが「英国では『公表された著作物は使うことが前提』であり、使うための方法を考える」という考え方でした。
 Aliciaさんによると驚くことに全英の40%の著作物の権利者が不明であるとのこと。著作者探しはどこの国でも大変な作業のようです。ただし、お会いした皆さんの言葉の端々に「法律を守ることも重要だが、著作物の利用による文化の発展がもっと重要だ」という姿勢を感じました。
 我が国でも、臨機応変なもっと柔軟な対応が出来れば、表現の広がりや伸びやかな創造が出来そうな気がしました。教育機関での利用について著作権者と利用者が互いに意見を交わし、自分の立場と相手の立場、そして新たな創作を生む教育環境をみんなで作りみんなで育てるという共育の意識が必要だと感じました。(細かな情報につきましては、現在、交渉中或いは検討中の案件もありますので差し控えさせていただきます)
 Ben氏、Aliciaさんからは、その後E-Mailでもご連絡をいただきました。みなさんと協力しあって、新たなルール作りが出来ればすばらしいことです。