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2007年08月22日

祝 佐賀北高優勝!!

 英国から帰って、暑さと時差ボケで今年のお盆はゴロゴロ三昧していましたが、そのゴロゴロお昼寝のお供が、高校野球。暑い中、高校生が必死に白球を追いかけてがんばっているのを尻目に寝たり起きたり。ばちあたりな野球観戦を楽しませていただきました。
 私が高校生の頃(同級生がサッシーというニックネームで話題になった海星高校の酒井投手です)までは、佐賀県は、西九州大会という佐賀長崎で1校だけ出場できる予選制度だったんですよね。で、佐賀が出ても1回戦突破が悲願みたいなレベルでした。13年前に佐賀商が優勝というマグレみたいなことがありました。
 今年の佐賀北高校は、1試合ごとに強くなると言うよりドンドン神がかりというか、次は何をやってくれるの?みたいなオーラが漂っていましたね。球場全体が、新たなドラマを期待しているし、期待通りにファインプレー・ホームラン・スクイズ・盗塁等々多彩なイリュージョンを見せてくれる。それが、設備の揃った私立高校ではなく県立高校。しかも選手は超高校級のマッチョな体格じゃなくイマドキの高校生の標準より小柄な170cm未満の近所の野球の上手なお兄さんタイプ。地元じゃなくても応援したくなりますよね。
 開幕第一試合では、念願の甲子園初勝利!
 二回戦では、超高校級の最速140キロ超の右腕2人を擁する東海地区の雄を延長再試合24イニングの死闘で倒す!
 三回戦は、4日間で延長再試合を含む3試合というハードスケジュールの中、強力打線の前橋商に打ち勝つ!
 準々決勝では、優勝候補の筆頭にあげられていた帝京高校相手に、攻めに攻められながら延長戦。ワンチャンスでサヨナラ勝ち!
 準決勝は、長崎日大高校相手に完封リレー。打てない日は、守備とピッチングで見せてくれました。
 そして今日の決勝戦。まるで「あしたのジョー」(古くてすみません)のノーガード戦法のように相手に打たせて疲れるのを待つ。相手が疲れと後半でちょっと気を抜いたところをカウンターパンチで一気にダウンさせる。4点差が微妙でしたね。2点差なら野村君も、もっと慎重にいったでしょう。

アニメでこのストーリーをやったら「ありえねー」と言われそうなストーリー。

 今年の夏の甲子園、佐賀北高校に始まり佐賀北高校で終わりましたね。すばらしい試合の連続でした。
 広島の広陵高校、連覇を狙った常葉学園菊川高校、岐阜の大垣日大高校他にもすばらしい試合たくさん見せてもらいました。

 特に今年は、特待生問題など暗い話題がありましたが、さわやかなプレーが、すべてを吹き飛ばしてくれました。高校球児の皆さんありがとうございました。

2007年08月14日

英国著作権事情(OUP)

 オックスフォードへは、ロンドンからバスで約1時間40分。気分的には、東京⇔鎌倉よりもう少し遠いかな?という感じでした。ちょっとした小旅行です。
 郊外は、見事な田園風景。丘の向こうまで続く牧草と森。麦黄色と深緑と所々に点在する赤レンガの農家。牧歌的な風景を見ながらピッタリ1時間40分でオックスフォードのバスセンターに到着しました。運転手さんに教えて貰ったとおりに行くとOUPの前に約束の20分前に到着。ロンドンも歴史的な景観が保たれたきれいな街ですが、オックスフォードは、街全体が中世を思わせるような更に洗練された景観を保っています。OUPの建物も歴史と風格を感じさせる建物です。


OUP_1.gif
ここから入ろうとしたらSTAFF専用でした。
OUP(Oxford University Press)

OUP_2.gif
こちらが、来客用の入り口です。

 受付を済ませ、STAFFの方に案内されELT(English Languge Teaching)の許諾処理をなされている部署を訪問。大変明るくきれいに整頓されたオフィスという印象でした。挨拶もそこそこにミーティングルームへ。

今回、初めての訪問でもありスムーズに話が進むよう、日本を出発する前にOUP日本のGeneral Manager Colin Bethell氏の本部への帰国日と、我々が本部を訪問する日を事前に打ち合わせていました。

今回のオックスフォード訪問n目的は、英国での入試問題の過去問の取り扱いに関する情報収集とオックスフォード日本支社との業務提携についてです。
 Colin氏から日本支社として
「ここ数年著作権に関する問い合わせが増えているが、部署も担当者も存在しないため対応に困っている。英国OUPへの申請を勧めるが、問い合わせ者の多くは言葉の壁があり申請書が書けない。その対応として日本著作権教育研究会は、OUPへの申請実績もあり窓口としてはどうか?」
という提案を頂いた。
 OUPとしては、
「日本著作権教育研究会へ許諾を出し再許諾を大学や出版社へ出すという方法は取れない。あくまでも1件ごとの使用に関し、その都度申請を代行して出すということであれば問題ないであろう。ただし、この場での即断は出来ない。上層部との打ち合わせが必要である。」
との回答でした。

 また、小会として興味のある英国での入試問題の過去問の取り扱いに関しての情報を得ることが出来ました。
「使用報告」
行わない。そのために入試問題としての使用は法的に認められている。
「入試問題の二次利用」
許諾が必要。出版等で使われる例は少ないが出版物は存在する。基本的に許諾を取って出版されているがトラブルが無いわけではない。残部の配布や図書館でのコピーが一般的である。(英国著作権法では私的コピーは1ページ1部は無償、2部以上の複製は対象外。許諾が必要)
「著作者不明への対応」
調査したが、著作者の所在あるいはコピーライツホルダーの所在がわからない場合、慣習的にその旨を記述し、利用する方法が採られている。

 英国の著作権法と我が国の著作権法は良く似ていますが、全体的に英国の著作権法のほうが、我が国の著作権法に比べ厳しく感じます。私的利用同様に教育目的であっても使用形態や部数が厳しく制限されているしまたきちんと守られている印象でした。

 今回の訪問では、小会が完全に窓口という結論までは至りませんでしたが、OUP日本としては、その方向で検討していただいております。小会会員の皆様には、よりスピーディーな対応が出来るように今後の交渉を行って行きたいと考えております。
 その後の雑談の中で日本からの申請件数の話が出ました。今年3月以降のELTへの日本の教育機関からの申請件数は、全部で17件。その内小会からの申請が6件。今年、小会が申請代行を請け負った大学が約200大学。そのうち英語の申請を行った大学は30大学。全国に約700大学と約2,500の私立高等学校があります。この比率から行けば・・・

 オックスフォードの市内観光もしっかりやってきました。

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ハートフォードカレッジ 1284年設立。

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クイーンズカレッジ 1340年設立。

他にもたくさん見て来ましたが旅行記ではないのでこれぐらいにします。
また行きたい街ですね。

2007年08月06日

英国著作権事情

 7月30日から著作権の権利処理の実務と意見交換のために英国へ行ってまいりました。
訪問先は、
CLA(The Copyright Licensing Agency)
PLS(Publishers Licensing Society)
OUP(Oxford University Press)
BL(The British Library)
の4団体。詳しくは、各団体のホームページをご覧ください。

 駆足での訪問で、それぞれアウトラインの話のみになり残念な部分もありましたが、我々の訪問に対し大変興味を持って迎えられました。特にOUP(Oxford University Press)に於いては、協力体制を前向きに検討していただけそうです。また、BL(The British Library)に於いては、法律的な部分とその周辺での出版社との取り決めや著作者との連絡が取れない場合の現実的な処理についてのアイデアなども教えていただきました。
 今回の訪問目的は、英国における著作権管理のシステムを理解するすることにありましたが、その目的はかなり達成することが出来ました。ただし、このことにより直ちに権利処理がスピードアップできるかといえばそうはならないことも解りました。結局のところ、国内での利用の仕方やCopyright情報の収集状況が処理スピードに大きく影響することに変わりはないことを再認識させられたというのが正直なところです。
 
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 まず今回は7月31日に訪問したCLAについてレポートいたします。
 CLAは、書籍や雑誌、新聞からの複写やスキャン利用に対するライセンスを与える非営利の団体です。版権(版面権)に対するライセンサーで企業や各教育機関で複写利用されるものについて出版社や新聞社に代わり集中管理し、許諾を出しているとのことです。
 お会いしたのは、International Development Manager の Eva Perez Nanclares さんと Business Development Manager - Education の Robert Dyer さん。
出版者(社)団体、新聞社団体、写真家団体等を取りまとめ、それまで各社へ許諾依頼が必要であったものを一元化出来た点を強調されていました。このことによりユーザーが、時間的なストレスを感じずに資料が使えるようになったとのことです。
(我が国でも、不法利用の多くは、手続きの面倒さにありこうした方法は必要であろうと思われます。管理事業法が改正され多くの管理団体が出来ることは悪いことではありませんが、ユーザーにとって一元申請が出来ない点は不便であり、特に著作権においては、不透明さが拭えません。)
ただし、ここで扱われるものは、主にコピーであり会議資料やコピーし使われる程度の授業教材であり、パブリッシングは対象としていないとのことです。(我が国では、私的コピーについて細かく決められていませんが、英国では、図書館でのコピーは1枚だけと決められています。また教育目的でも分量により許可が必要とされています。)
現在のところ業務上の小会との接点はありませんがCLA的な組織のあり方は、小会が目指すところであり、設立までの圧力やハードルの話は大変参考になりました。
(もっと具体的に書きたいのですが、私のリスニング能力では、具体的に書くと誤認がありそうですのでニュアンスの話になってしまいました。申し訳ございません。)